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乾癬:ゲノムワイド関連解析によって明らかになったTRAF3IP2にある乾癬感受性座位

Nature Genetics 42, 11 doi: 10.1038/ng.689

乾癬は表皮肥厚と慢性炎症を特徴とする多因子性の皮膚疾患である。乾癬のうち、最もよくみられる病型は尋常性乾癬(PsV)である。今回、2,339,118個のSNPについて、ドイツ人PsV症例472例、対照群1,146例におけるゲノムワイド関連解析を、さらに、そのうち高い有意性を示した147個のSNPに対して、上記とは別の3種類のパネル由来のPsV症例2,746例、対照群4,140例において関連の再現性解析を行った。その結果、6q21のTRAF3IP2に疾患との関連を見いだし、別の2種類の再現性解析用パネルにおいてこの座位の2つのSNPの遺伝子型を決定した(検出用および追試解析用のパネルのサイズは、症例6,487例、対照群8,037例。rs13210247はPcombined=2.36×10−10、rs33980500はPcombined=1.24×10−16)。乾癬患者のおよそ15%は関節性乾癬(PsA)の発症を伴う。今回のデータセットに対してPsA患者の層化解析を行ったところ、TRAF3IP2がPsVとPsAの共通リスク領域であることが示唆された(症例1,919例、対照群8,037例。rs33980500はP=4.57×10−12)。TRAF3IP2はIL-17シグナル伝達に関係するタンパク質をコードしており、このTRAF3IP2はRel/NF-κB転写因子ファミリーの構成タンパク質と相互作用する。

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