Letter 乾癬:関連解析により中国人集団において6つの新しい乾癬感受性座位を同定 2010年11月16日 Nature Genetics 42, 11 doi: 10.1038/ng.690 乾癬を対象とした我々のこれまでのゲノムワイド関連解析を拡張し、中国の乾癬患者(症例)8,312例と対照12,919例、ドイツおよび米国の症例3,293例と対照4,188例、および米国の254の核家族を用いて、多段階の追試研究を行った。中国人における研究から、乾癬に関連する6つの新しい感受性座位を同定した。すなわち候補遺伝子としてERAP1、PTTG1、CSMD1、GJB2、SERPINB8、ZNF816A(統合P<5×10−8)が含まれる。また、これまでにヨーロッパ系の人における研究から報告されている1座位5q33.1(TNIP1-ANXA6)の関連の再現性を確認した(統合P=3.8×10−21)。これらのうちの2座位が、ドイツ人における研究で関連を示した(ZNF816A、P=3.6×10−3およびGJB2、P=7.9×10−3)。ERAP1およびZNF816Aは中国漢民族系集団の1型(早期発症型)乾癬との関連がみられた(異質性検定は、ERAP1がP=6.5×10−3、ZNF816AがP=1.5×10−3)。乾癬についてのこれまでのGWASの結果と比較すると、中国人集団とヨーロッパ系集団間に疾患感受性の異質性があることが見えてきた。我々の研究から、新しい遺伝的感受性要因が同定され、また乾癬における新しい生物学的経路が示唆される。 Full text PDF 目次へ戻る