Article イネ:イネ在来種の14種類の農業形質に関するゲノムワイド関連解析 2010年11月16日 Nature Genetics 42, 11 doi: 10.1038/ng.695 さまざまな農業気候条件に適応した作物在来種の農業形質の遺伝的基盤を解明することは、世界の食糧安全保障にとって重要である。本研究では、517種類のイネ在来種の塩基配列決定をすることによってSNPを約360万カ所同定し、新たなデータ予測法を用いてイネゲノムの高密度ハプロタイプマップを作成した。我々は、イネ(Oryza sativa)のインディカ亜種の集団がもつ14種類の農業形質に関して、ゲノムワイド関連解析(GWAS)を行った。GWASで同定された遺伝子座により、平均で約36%の表現型の多様性が説明された。6遺伝子座のピークシグナルは、同定済みの遺伝子と強く結び付けられた。今回の研究成果は、イネの遺伝学的研究および育種に重要な資源をもたらすとともに、第二世代のゲノム塩基配列決定とGWASとを組み合わせた方法が、イネの複雑な形質を分析するうえで、古典的な二親性交配のマッピングに対する強力な相補的戦略として利用可能であることを示している。 Full text PDF 目次へ戻る