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関連解析:【TECHNICAL REPORTS】ゲノムワイド関連解析におけるサンプル構造を明らかにする分散要因モデル

Nature Genetics 42, 4 doi: 10.1038/ng.548

ゲノムワイド関連解析(GWAS)は、複雑な形質に関連する多くの遺伝子座を同定してきたが、サンプル内での遺伝的な類縁関係に関して不正確なモデルが作成されると、検定の統計をかなり高くみせたり、場合によっては、誤った関連を導く原因となったりしうる。分散要因アプローチ、たとえば、efficient mixed-model association (EMMA)は、表現型の分布をモデル化するために高密度のマーカーを用いて、個人間でペアごとの類似性(近縁性)を明確に計算することにより、広範囲のサンプル構造を補正しうるものである。しかしながら、このアプローチはコンピューター的には実用的なものではない。そこで、分散要因アプローチを、EMMA eXpedited (EMMAX)として実装することで広く利用可能にし、巨大なGWASデータセットを解析する計算時間を年単位から時間単位に減らせたことをここに報告する。私たちはこの手法を、Northern Finland Birth Cohortから得た10の量的形質およびWellcome Trust Case Control Consortiumから得た7つの一般的な疾患に対する2つのヒトGWASデータセットに適用し、関連解析を行った。その結果、サンプル構造を補正する上で、EMMAXが主成分分析やgenomic control法の両方よりも優れていることを見いだした。

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