Letter 鼻咽腔がん:鼻咽腔がんのゲノムワイド関連解析で3つの新しい感受性遺伝子座が同定された 2010年7月1日 Nature Genetics 42, 7 doi: 10.1038/ng.601 中国南部出身の人において鼻咽腔がん(NPC)の感受性遺伝子座を同定するために、1,583人のNPC罹患者(症例)と1,894人の対照に対して、464,328の常染色体上のSNPを用いてゲノムワイド関連解析を行った。ゲノムワイド関連解析から得た上位49のSNPに対して、3,507人の罹患者と、広東と広西出身の中国南部系3,063人の対照に対して遺伝子型決定を行なった。7つの候補SNPはさらに、広東出身の279のトリオを用いた伝達不平衡試験によって確認を行った。染色体13q12のTNFRSF19〔rs9510787、Pcombined=1.53×10−9、オッズ比(OR)=1.20〕、3q26のMDS1-EVI1(rs6774494、Pcombined=1.34×10-−8、OR=0.84)および、染色体9p21のCDKN2A-CDKN2B遺伝子(rs1412829、Pcombined=4.84×10−7、OR=0.78)の3つの新しい感受性遺伝子座を同定したので報告する。また、rs2860580(Pcombined=4.88×10−67、OR=0.58)、rs2894207(Pcombined=3.42×10−33、OR=0.61)、rs28421666(Pcombined=2.49×10−18、OR=0.67)において独立して関連を示すことで、HLAの役割を確かめた。これらの結果は、HLA分子のほかに、TNFRSF19とMDS1-EVI1に関する経路がNPCに関与することを明らかにすることにより、NPCの病因についての新たな洞察を与えてくれるものである。 Full text PDF 目次へ戻る