血小板機能によって、ヒトの健康に有益な効果と有害な効果の両方が仲介されるが、この過程の多様性に寄与する遺伝子はほとんど知られていない。我々は、ヨーロッパ系の2つのコホートにおいて〔フラミンガム心臓研究のN≤2,753、Genetic Study of Atherosclerosis Risk(アテローム性動脈硬化症リスクの遺伝的研究)のN≤1,238〕、250万個のSNPと、3つの作動物質(ADP、エピネフリン、コラーゲン)に対する血小板凝集反応との関連を検討した。その結果、血小板凝集と7つの遺伝子座との関連を同定したので報告する。それらは、GP6(P=4.6×10−13)、PEAR1(P=3.4×10−12)、ADRA2A(P=3.3×10−11)、PIK3CG(P=3.1×10−9)、JMJD1C(P=1.6×10−8)、MRVI1(P=2.0×10−8)およびSHH(P=4.5×10−8)内あるいはその近傍に位置している。これら遺伝子座のうちの6遺伝子座の関連が、さらにアフリカ系アメリカ人のコホート(Genetic Study of Atherosclerosis RiskのN≤840)においてP <0.05で再現された。これらの結果から、血小板凝集経路を理解する手がかりが得られ、また、新しい抗血小板療法の標的が示唆されるかもしれない。