Letter

薬理ゲノミクス:ゲノムワイド研究によってルミラコキシブ関連肝障害に関連するHLA対立遺伝子が明らかになる

Nature Genetics 42, 8 doi: 10.1038/ng.632

ルミラコキシブは、選択的シクロオキシゲナーゼ-2阻害剤で、変形性関節症と急性疼痛に対する対症療法として開発された。ルミラコキシブは、肝毒性の懸念があるため、世界の主要な医薬品市場では、回収あるいは未承認となっている。我々は、肝障害のみられたルミラコキシブ投与患者41人(症例)と、それに対応する肝障害のみられないルミラコキシブ投与患者176人(対照)において、症例・対照ゲノムワイド関連研究を行った。MHCクラスII領域のいくつかのSNPが、強い関連の証拠を示した(最も有意な関連のみられるSNPは、rs9270986で、P=2.8×10−10である)。これらの知見は、ルミラコキシブ投与症例98人と、それに対応するルミラコキシブ投与対照405人からなる独立したセットにおいて再現性が得られた(最も有意な関連のみられるSNP rs3129900、P=4.4×10−12)。精細マッピングによって、一般的なHLAハプロタイプに強い関連が同定された(HLA-DRB11501-HLA-DQB10602-HLA-DRB50101-HLA-DQA10102、最も有意な対立遺伝子P=6.8×10−25、対立遺伝子のオッズ比=5.0、95% CI 3.6−7.0)。これらの結果から、肝障害のリスクが高い人を同定して、その人にはルミラコキシブ投与を行わないことで、ルミラコキシブの安全性プロファイルを改善できる可能性が示された。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度