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イネの多様性:GS5遺伝子中に自然に起こった配列
多様性は米粒の大きさと収穫量の調節に大きな役割を果たしてきた

Nature Genetics 43, 12 doi: 10.1038/ng.977

作物の生産量を増やすことは植物学研究の最も重要な目標の1つである。穀粒の大きさは穀類の収穫量を上げる最大の要因であり、農作と人為的な交配の両方が標的となる遺伝形質である。本報告では米の量的遺伝形質(QTL)にあたるGS5遺伝子が、穀粒の厚み、含量および重量を調節することにより、穀粒の大きさを制御していることを示す。GS5遺伝子はセリンカルボキシペプチダーゼをコードしていると推定され、穀粒の大きさの正の調節因子として機能しており、例えばGS5遺伝子の高発現とより大きな穀粒の大きさとが関連している。地理学的に広範囲にわたる51種の米の品目のプロモーター領域の塩基配列から米粒の厚みに関連すると見られる3つのハプロタイプが同定された。この結果から自然に起こったGS5遺伝子の多様性が米の穀粒の大きさの多様性に関与しており、米はもとより他の作物の生産量の改善に役立つと示唆される。

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