Article セリアック病:詳細な遺伝子型判定により、セリアック病 において、複数の高頻度配列多様体と まれな配列多様体の関連シグナルとその 位置(領域)を同定した 2011年12月1日 Nature Genetics 43, 12 doi: 10.1038/ng.998 1000人ゲノムプロジェクトのパイロット研究であるヨーロッパCEUデータセット、および追加のリシーケンシング研究データから得られた配列多様体(variant)を使って、12,041人のセリアック病患者と12,228人の健常者に対して、これまでに免疫疾患と関連があった非HLAリスク座位183個について詳細な遺伝子型判定を行った。ゲノムワイドな有意差に達する新しいセリアック病のリスク座位13個を同定し、既知の座位は(HLA座位も含めて)40となった。これらのうち3分の1を超える座位において、複数の独立した関連シグナルを認めた。これは、高頻度配列多様体、低頻度配列多様体、まれな配列多様体の組み合わせによる結果であった。HapMap3から得られるデータなどの過去のデータと比較すると、我々の大規模データコレクションの詳細な遺伝子型判定は、高精度の連鎖不平衡パターンを提供し、多くのシグナルをより詳細な領域に局在化できることを示唆した。特に54個の詳細にマッピングされたシグナルのうち29個は単一遺伝子に位置し、また遺伝子調節領域に位置しているものもあった。我々はセリアック病のリスク領域の複雑な遺伝的体系を明らかにし、リスクシグナルをより詳細にすることにより、この病気の原因を明らかにする次のステップを示すものである。 Full text PDF 目次へ戻る