Letter 糖尿病:ATMの近傍のありふれた対立遺伝子の多型が2型糖尿病でのメトホルミンに よる血糖応答に関連している 2011年2月1日 Nature Genetics 43, 2 doi: 10.1038/ng.735 メトホルミンは2型糖尿病の薬物療法で最も一般的に使われている薬物である。本研究では1,024人のスコットランド人2型糖尿病患者においてメトホルミンに対する血糖応答についてのゲノムワイド関連解析を行い、さらに、1,783人のスコットランド人および英国糖尿病予測研究からの1,113人からなる2群のコホートにおいて再現性を確認した。統合メタ解析で、治療成功に関連したSNPであるrs11212617を毛細血管拡張性運動失調症の変異遺伝子であるATMを含む座位で見つけた(n=3,920、P=2,9×10−9、オッズ比=1.35、95%信頼限界1.22−1.49)。ラットの肝細胞がん細胞株でATMをKU-55933で抑制すると、メトホルミンに対する反応によるAMP賦活化タンパク質キナーゼのリン酸化と活性化を減弱させることができた。DNA修復と細胞周期制御にかかわっていることが知られている遺伝子ATMは、AMP賦活化タンパク質キナーゼの上流におけるメトホルミンの作用において一定の役割を果たし、この遺伝子の変異はメトホルミンに対する血糖応答を変化させるものと結論した。 Full text PDF 目次へ戻る