Letter 肝細胞がん:ゲノムワイド関連解析でHCV陽性肝細胞がんの感受性座位が見つかる 2011年5月1日 Nature Genetics 43, 5 doi: 10.1038/ng.809 C型肝炎ウイルス陽性肝細胞がん(HCV陽性HCC)の感受性遺伝因子を見つけるため、432,703個の常染色体上のSNPを用いて、721例のHCV陽性HCC症例(患者)群と2,890例のHCV陰性の日本人対照群についてゲノムワイド関連解析を行った。ゲノムワイド関連解析で関連が示唆された8個のSNP(P<1×10−5)についてさらに673例の症例群と2,596例の対象群について遺伝子型を決めた。染色体6p21.33上のMICA遺伝子の5'側上流領域内にこれまで知られていなかった座位(rs2596542、Pcombined=4.21×10−13、オッズ比=1.39)を見つけた。C型慢性肝炎(CHC)の患者を用いたさらなる研究で、このSNPはCHC感受性には関連していないが(P=0.61)、CHCからHCCへの進展に有意に関連(P=3.13×10−8)していることが示された。またrs2596542のリスク対立遺伝子はHCV陽性HCC患者での可溶性MICAタンパク質の低値と関連(P=1.38×10−13)していることを見つけた。 Full text PDF 目次へ戻る