Article 転写の調節:大腸菌の転写の時間経過の一般的な特徴 2011年6月1日 Nature Genetics 43, 6 doi: 10.1038/ng.821 遺伝子の活性は、不連続で確率的な要素を持った、mRNA生産の時間的な経過によって表すことができる。この転写の時間経過は断続的で突発的な様相を見せる。この時間によって錯綜した状態の結果の1つは、遺伝子発現が時間経過のさまざまな異なる状況により引き起こされることである。この論文ではこれらの転写の時間経過の全体像を解析するために、1分子蛍光によるin situ ハイブリダイゼーション法を使って、大腸菌の20個のプロモーターからの統計的なmRNAのコピー数の定量を行った。突発的な発現の程度は遺伝子発現のレベルと相関しているが、遺伝子調節の他のパラメーターとは大方独立していることがわかった。観察された状況は、突発的な反応の長さにみられる変動によって説明することができた。シャノンの相互情報関数を使うと、外部刺激、例えば細胞外の誘導因子の分子の濃度と、細胞内のmRNAのレベルとの間での相互情報量の伝達が起こることが推測された。このことから外部の刺激は、転写の時間経過の特徴を反映した情報を伝達していることが示唆された。 Full text PDF 目次へ戻る