Letter 代謝関連形質:ヒト尿の代謝関連形質についてのゲノムワイド関連解析 2011年6月1日 Nature Genetics 43, 6 doi: 10.1038/ng.837 本論文では、人体の解毒能力を検討するためにデザインされた、ヒト尿が示す代謝上の形質についてのゲノムワイド関連解析の結果を報告する。集団対象のSHIP健康調査に参加した862人の男性を対象に、尿サンプルに含まれる59種類の代謝生成物の濃度をNMRスペクトル分光法によって測定し、SNPとの関連を調べた。続いて、同じSHIPの新たな1,039人(「5年後フォローアップ研究」を含む)の尿サンプル、また、SHIPとは別の地域のKORA(健康調査)から抽出した992人の尿サンプルを用いて、関連の再現性を確認した。結果として、Pjoint値が3.2×10−19から2.1×10−182である5つの座位を同定した。これらの座位のうちの3つは重要な臨床転帰との関連がすでに明らかになっている。すなわち、SLC7A9は慢性腎臓疾患のリスク座位、NAT2は冠動脈疾患のリスク座位であり、かつ遺伝子型に依存した、薬物毒性に対する応答関連座位、SLC6A20はイミノグリシン尿症のリスク座位である。3つの座位に加えて、AGXT2のrs37369を、高アミノイソ酪酸尿の関連遺伝子変異として同定した。 Full text PDF 目次へ戻る