Article

嚢胞性繊維症:ゲノムワイドの関連および連鎖から、嚢胞性繊維症の肺症状の重篤性を左右する座位が11p13と20q13.2にあることがわかる

Nature Genetics 43, 6 doi: 10.1038/ng.838

ゲノムワイドな関連解析および連鎖解析を組み合わせて、嚢胞性繊維症の肺における症状の重篤性に違いをもたらす座位を同定した。まず、p.Phe508delのホモ接合体において(解析を合算したn = 1,978)において、EHFおよびAPIP(染色体領域11p13)の近傍に有意な関連を見いだした(P=3.34×10−8)。この関連について、別個の、家系を対象にした解析(P =0.006、n=557)のp.Phe508delホモ接合体において再現性を確認した。さらに、これら3種類の解析のメタ解析での関連有意性を確認した(P=1.49×10−9)。家系解析に含まれる486の同胞対に対して連鎖解析を行い、染色体領域20q13.2に有意性のある量的形質座位を同定した(log10オッズ=5.03)。今回の研究成果は、嚢胞性繊維症の肺疾患の重篤性に見られるばらつきの要因についての手がかりを与え、この致死的な疾患に対する新たな治療標的を示唆するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度