Article 脂肪代謝:IRS1近傍の遺伝的多様性は脂肪蓄積の低下と代謝プロファイル異常に関連する 2011年8月1日 Nature Genetics 43, 8 doi: 10.1038/ng.866 ゲノムワイド関連研究によってボディマス指数(BMI値)に影響を与える32座位が同定されているが、BMI値は体脂肪量と除脂肪量を区別するものではない。脂肪蓄積座位を同定するために、約250万個のSNPと36,626人の体脂肪率の間の関連のメタ解析を行い、最も有意な(P<10−6)独立した14座位について、さらに39,576人において追試を行った。我々は、これまでに確立されている脂肪蓄積座位をFTO(P=3×10−26)に確認し、また、体脂肪率と関連する新規の2座位を、IRS1近傍(P=4×10−11)と、SPRY2近傍(P=3×10−8)に同定した。この両座位ともに、脂肪細胞の生理学と関係する可能性のある遺伝子を含んでいる。IRS1近傍の体脂肪減少に関連する対立遺伝子は、IRS1発現の低下と関連し、また、内臓脂肪の皮下脂肪に対する比率の増加、インスリン抵抗性、脂質異常症、糖尿病や冠動脈疾患のリスクの上昇、およびアディポネクチンレベルの低下を含む、代謝プロファイル異常とも関連することに注目すべきである。我々の知見は脂肪蓄積およびインスリン抵抗性についての新しい手がかりを提供するものである。 Full text PDF 目次へ戻る