Letter 遺伝的多様性:9p21染色体領域の高頻度SNPと2型糖尿病および心筋梗塞との関連を詳細に位置決定 する手法の比較 2011年8月1日 Nature Genetics 43, 8 doi: 10.1038/ng.871 9p21染色体領域のCDKN2AおよびCDKN2B近傍に存在する非コード配列多様体(バリアント)は、2型糖尿病、心筋梗塞、動脈瘤、垂直C/D比、少なくとも5種類のがんと関連している。本論文では、特定領域に存在する遺伝的多様性をさらに網羅的に決定するための、複数の方法を比較した。まず、 47人分の2型糖尿病および心筋梗塞の関連領域について選択的に高いカバー率(網羅性)で塩基配列決定した。明らかになった配列の多様体を、1000人ゲノムプロジェクトで得られていたパイロットデータのものと比較した。そして、この選択的塩基配列決定データ、塩基配列解析にもとづいた遺伝型判定参照パネル、および1000人ゲノムプロジェクトの低カバー率のパイロットデータから、2型糖尿病および心筋梗塞患者のコホート内における配列の多様体を推測した。出現頻度が5%より大きい多型はこれらのすべての方法でとらえられた。中等度の頻度で見つかる多型の推測には、第一世代のゲノムワイド関連研究で使用されているよりも、タグSNPが患者試料において高密度で存在しなければならなかった。今回の関連解析によって、2型糖尿病もしくは心筋梗塞と同等の統計的関連を示す一連の配列多様体がより包括的に同定された。しかし、GWASで観察されたものを上回るような関連は認められなかった。 Full text PDF 目次へ戻る