Letter 肝細胞がん:DEPDC5座位の多様性はC型肝炎ウイルス 慢性感染者の肝細胞がんへの進展に関連 している 2011年8月1日 Nature Genetics 43, 8 doi: 10.1038/ng.876 ウイルス性慢性肝炎は肝細胞がん(HCC)発生の最も重要なリスク要因である。慢性のC型肝炎ウイルス(HCV)感染者がHCCへ進行する遺伝的リスク要因を見つけるため、日本人で、HCCを発症した慢性HCV感染者212人と、HCCを発症していない慢性HCV感染者765人について、467,538個のSNPを解析した。その結果、第22染色体上のDEPDC5座位内のイントロンにある1つのSNPがHCCリスクに関連していることを見つけた。これとは独立した症例対照研究(710症例群と、1,625対照群)においても、この関連を確認することができた。この関連は、各解析ステージ別でも、合算しても、高度に有意であった(rs1012068、Pcombined=1.27×10−13、 オッズ比=1.75)。性別と年齢と血小板数を調整すると、 この関連の有意性はさらに高まった(P=1.35×10−14、オッズ比=1.96)。この発見はDEPDC5座位のありふれた変異が日本人の慢性HCV感染者のHCC感受性に影響を与えることを示すものである。 Full text PDF 目次へ戻る