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神経芽細胞腫:6q16のHACE1とLIN28B内のありふれた変異が神経芽細胞腫の感受性に影響
Nature Genetics 44, 10 doi: 10.1038/ng.2387
神経芽細胞腫は交感神経系の悪性腫瘍で、全小児がん死亡のおよそ10%を占める。本研究では2,817人の神経芽細胞腫症例と7,473人の対照群についてのゲノムワイド関連研究を報告する。6q16に2つの新しい関連を見つけた。1つは、HACE1〔rs4336470、統合P=2.7 × 10−11、オッズ比1.26、95%信頼限界(CI)1.18−1.35〕であり、もう1つは、LIN28B〔rs17065417、統合P=1.2 × 10−8、オッズ比 1.38、95% 信頼限界(CI) 1.23−1.54〕である。LIN28Bとlet-7 miRNAの神経芽細胞腫細胞株での発現は、rs17065417の遺伝子型と相関関係がある。そして、LIN28Bをノックダウンすると特にリスク対立遺伝子がホモ接合である神経芽細胞では、増殖抑制が有意に認められた。初発神経芽細胞腫の診断時にHACE1の低発現とLIN28Bの高発現がある場合には、全生存率について予後不良であった(それぞれP=0.008と0.014)。総合するとこれらのデータは、HACE1とLIN28B内のありふれた配列多型が神経芽細胞腫の感受性に影響を与え、どちらの遺伝子もこの疾患の進展にある役割を果たしていることを示している。