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バレット食道:主要組織適合性抗原複合体座位と染色体16q24.1のありふれた変異がバレット食道の素因となる

Nature Genetics 44, 10 doi: 10.1038/ng.2408

バレット食道は胃酸の逆流に強く相関し、裂口ヘルニアを伴うことが多いありふれた疾患だが、予後が悪い腫瘍である食道腺がん(EAC)の強い素因となる。バレット食道の初めてのゲノムワイド関連研究をここに報告する。この研究では、検出段階では1,852症例(英国人)と対照群5,172例(英国人)を、確認段階では5,986症例と対照群12,825例を用いた。2つの座位の多型がこの疾患リスクと関連を示した。1つは、染色体6p21の主要組織適合性複合体座位内に存在するrs9257809である〔Pcombined=4.09 × 10−9、オッズ比(OR)=1.21、95%信頼限界(CI)=1.13–1.28)。もう1つは、染色体16q24に存在するrs9936833(Pcombined=2.74 × 10−10、OR=1.14、95% CI=1.10–1.19)で、最も近くに存在するタンパク質コード遺伝子は、食道の発生と形態にかかわっているとされるFOXF1である。多くのありふれた多型がバレット食道の遺伝的感受性に小さな効果を持つこと、また、肥満の素因となるSNP対立遺伝子がバレット食道になるリスクをも増すことを見つけた。

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