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統合失調症:de novoの遺伝子変異は統合失調症における遺伝学的および神経の複雑性のパターンを浮き彫りにする
Nature Genetics 44, 12 doi: 10.1038/ng.2446
統合失調症におけるde novoの病因についてのエビデンスを評価するために、人口構造や歴史の異なる2つの集団から集めた家族のエキソームを、高いカバー率で塩基配列決定した。本研究では、散発性統合失調症の症例を多く含む、両親と発端者の3人組からなる231組(症例)と、非罹患の両親と子の3人組からなる34組(対照)から、合計として795例のエキソームの配列を決定した。対照と比較して、症例は、遺伝子を破壊するde novo変異の保有率がより高く、また、非常に多くのde novoの非同義一塩基多様体が観察された。我々は、2つの集団内あるいは集団にわたって頻発するde novo事象の影響を受けた4つの遺伝子(LAMA2、DPYD、TRRAP、VPS39)を見いだした。これらが偶然に起こったとは考えられない。我々は、de novo変異がさまざまな機能や発生プロファイルを持つ遺伝子に影響を与えることを示すが、胎児期早期により高発現が見られる遺伝子の変異が大きく寄与していることも見いだした。本研究の結果は、統合失調症のゲノムおよび神経の構造を明らかにするのに役立つものである。