Letter 形態形成:哺乳類口蓋の増殖帯で働くTuring機構による周期性線条形成 2012年3月1日 Nature Genetics 44, 3 doi: 10.1038/ng.1090 口蓋の規則的間隔をおいた横稜の形成に活性化因子-抑制因子系が関与していることの直接的証拠を示す。口蓋皺と呼ばれる新しい稜(Sonic hedgehogをコードするShh の発現の線として示す)が、以前に形成された皺の間隔が増した部位にあたる2本の増殖帯に一致して出現する。しかしながら皺間の増殖は不可欠のものではない。すなわち、Shh発現の新しい線条は、増殖を停止させてもなお出現する。さらに皺を切除した場合、新しいShh発現の線条は切断端ではなく、隣接するShh発現の線条から分枝する二分岐線条として出現し、Turing型反応・拡散機構に特徴的であることがわかる。遺伝的解析ならびに抑制因子を用いた実験で繊維芽細胞増殖因子(FGF)とShhがこの系で活性化因子・抑制因子の対を成していることがわかった。これらの所見は哺乳類の発生で反応・拡散機構が広く関与しているらしいことを証明している。 Full text PDF 目次へ戻る