Analysis 塩基配列決定:きわめて低いカバレッジ(カバー率)の塩基配列決定とデータの補完はゲノムワイド関連解析の検出力を増大させる 2012年6月1日 Nature Genetics 44, 6 doi: 10.1038/ng.2283 ゲノムワイド関連解析(GWAS)は、ありふれた疾患への感受性に寄与する比較的高頻度の遺伝的変異を同定するのに有用な手法であると証明されている。今回私たちは、ゲノム全体での、比較的高頻度の配列(>5%)および低頻度の配列(1〜5%)について、きわめて低いカバー率(0.1〜0.5×)の塩基配列決定を行うことにより、SNPアレイとほぼ同じ検出力が達成されることを示す。経験的な証明法を用いて、909個のサンプルを用いた全エキソン解析において、エキソン以外のデータを用いることにより(平均で0.24×のカバー率)、ゲノムワイドのSNP遺伝子型での平均の相関係数r2は0.71と推定した。シミュレーションと実際の全エキソン配列のデータセットの両方を用いて、既知の関連した変異について、きわめて低いカバー率の塩基配列決定データから得られた相関が、過度の偽陽性なしに、アレイによる遺伝子型決定でのデータと同様のP値に達することが明らかになった。サンプル調製や塩基配列決定のコストを減らすという面で、きわめて低いカバー率の塩基配列決定にかかるコストで、SNPアレイのデータにもとづくGWASの実質的なサンプルサイズを数倍増加させ、また統計的検出力にも相応の増加をもたらすことに貢献できる。 Full text PDF 目次へ戻る