Technical Report 遺伝的多様性:構造モデル作成による、遺伝情報の空間的解析法 2012年6月1日 Nature Genetics 44, 6 doi: 10.1038/ng.2285 集団内および集団間における遺伝的多様性の特性解析は、ヒトの疾患や進化の研究において広く行われている。本論文では、遺伝子型についての構造モデルを2次元または3次元空間で表示する新しい方法、空間祖先解析(spatial ancestry analysis:SPA)を提案する。空間祖先解析では、対立遺伝子頻度を地理的空間における連続関数とすることで、それぞれのSNPの空間的分布を直接表現する構造モデルを作成する。対立遺伝子頻度についての直接表現モデリング(explicit modeling:パラメタリゼーションを行わないモデリング)から、遺伝情報だけで個人の地理上の位置を特定することが可能であることが示された。また、ヨーロッパ系および全世界の集団の遺伝的変異データに対してSPAを行い、対立遺伝子頻度の分布が急勾配で表現されるSNPを同定した。これらのSNPを含むゲノム領域は、選択圧下にあると推察される。例えば、特性解析がすでに十分行われているLCT領域のSNP、それに加えてFOXP2、OCA2、LRP1B領域のSNPを含むゲノム領域である。 Full text PDF 目次へ戻る