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肝臓がん:肝臓がんの全ゲノム塩基配列決定によって病因的背景の変異パターンへの影響およびクロマチン調節因子に頻発する変異が明らかになる

Nature Genetics 44, 7 doi: 10.1038/ng.2291

肝細胞がん(HCC)は、世界全体のがんに関連する死亡原因の第3位である。我々は、27例のHCC(そのうちの25例はB型あるいはC型の肝炎ウイルス感染関連HCCで、2組の多中心性腫瘍を含んでいる)の全ゲノム塩基配列決定を行い、解析した。多中心性腫瘍のペアにおいては共通する体細胞変異は同定されなかったが、その全ゲノムの置換パターンは類似していたことから、これらの腫瘍は、その共有する病因的背景が強力に体細胞変異の塩基置換パターンに影響を与えている可能性があるが、独立した変異から生じたことが示唆される。統計解析および機能解析から、変異が頻発する遺伝子のリストが得られた。ARID1AARID1BARID2MLLおよびMLL3を含む、複数のクロマチン調節因子が、およそ50%の腫瘍において変異していた。TERT座位にB型肝炎ウイルスゲノムが挿入されたクローンの割合が高いことが多かった。我々のHCCの全ゲノム配列解読から、HCCではクロマチン調節因子に変異が頻発するとともに、病因的背景が体細胞変異の塩基置換パターンやその後の発がんに影響を与えることが明らかになった。

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