Technical Report

ハプロタイプ解析:pre-phasing法を用いた、ゲノムワイド関連解析における遺伝子型の迅速で正確な補完

Nature Genetics 44, 8 doi: 10.1038/ng.2354

1000ゲノムプロジェクトと、病気に特化した塩基配列決定の努力によって、ゲノムワイド関連解析(GWAS)において遺伝子型の補完の参照パネルとして使えるハプロタイプが数多く生産されている。しかし、既存の方法を用いて大きな参照パネルから補完することは、計算機に大きな負担がかかる。我々は、答えを導く正確さは維持しながら、計算機にかかる負荷を下げるpre-phasing(プレ相特定)法と呼ばれる方法を紹介する。まずGWASサンプル中の各個人のハプロタイプを統計的に推測し(pre-phasing)、次いでこの推測されたハプロタイプの欠落した遺伝子型を補完する。これにより、次の理由で計算機の負荷を下げることができる。(i)標準的な方法では、参照パネルを更新するたびに盲目的にGWASサンプルの相特定を繰り返すのに対して、本法では一度限りである、(ii)2つの相の特定されていないGWASのゲノム型を2つの参照ハプロタイプに照合するよりも、相が特定されたGWASハプロタイプを1つの参照ハプロタイプと照合する方がずっと速い。MaCHとIMPUTE2のフレームワークにおいてこの方法を実行し、それをウエルカムトラスト罹患対照コンソーシアム2(WTCCC2)、遺伝的関連情報ネットワーク(GAIN)、女性健康イニシアチブ(WHI)ならびに、1000ゲノムプロジェクトから得られたデータセットで検証した。この方法は参照パネルの更新にともなって繰り返し補完する際に、特に価値があると思われる。

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