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血糖レベル:大規模関連解析により、血糖レベルに影響を与える新しい座位が同定され、原因となる生物学的経路についての知見が得られた
Nature Genetics 44, 9 doi: 10.1038/ng.2385
糖尿病でない133,010人のヨーロッパ系に対して、ゲノムワイド関連メタ解析を行った。その中には、メタボチップを用いて新しく遺伝子型が決定された個人も含まれている。解析の結果、血糖レベルに影響を与える座位の数が53となり、このうち33は2型糖尿病のリスクをも上昇させた(q < 0.05)。空腹時インスリン濃度に影響を与える座位は、脂質レベルと体脂肪分布と関連しており、インスリン抵抗性に対する影響が示唆された。遺伝子解析では、生物学的にもっともらしい座位がさらに同定され、ゲノムワイドな有意差に到達した遺伝子座位の他にも、真の関連を示しうる座位があることが示唆された。ここで得られた結果は、発見解析と追試解析において方向性が一貫しており、両解析におけるわずかだが有意差がみられる非常に多くのシグナルによって支持されている。これらの新しく発見された座位の機能に関する研究を行えば、血糖調節に対する我々の理解がさらに深まるだろう。