Letter 脂質:血中脂肪と関連する頻度の高い多型と冠動脈疾患リスク 2013年11月1日 Nature Genetics 45, 11 doi: 10.1038/ng.2795 中性脂肪は、中性脂肪に富む特定のリポタンパク質によって血漿中に運ばれる。疫学研究によると、中性脂肪が上昇すると冠動脈疾患(CAD)のリスクが上昇する。しかし、この関係が原因となる過程を反映するものであるかどうかは明らかでない。最近になって、血漿中の脂質と関連することが報告された185個の頻度の高い多型(P < 5×10−8)を用いて、CADのリスクに中性脂肪が与える役割を調べた。まず、LDLコレステロール(LDL-C)と中性脂肪レベルの両方と関連する座位に注目し、両方の形質との関連が示す方向と大きさは、CADのリスクを決定する因子であることが分かった。次に、中性脂肪レベルとのみ強く関連する座位に注目し、これらの座位もCADと関連することが分かった。最後に、LDL-CとHDLコレステロール(HDL-C)レベルの影響を説明するモデルでは、中性脂肪レベルに影響する多型の効果の強さが、CADのリスクに対する効果と相関していた。これらの結果は、中性脂肪に富むリポプロテインは、CADのリスクに影響を与える原因であることを示唆している。 Full text PDF 目次へ戻る