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B型肝炎:漢族中国人におけるB型慢性肝炎ウイルス感染に関連する新たな座位
Nature Genetics 45, 12 doi: 10.1038/ng.2809
B型慢性肝炎ウイルス(HBV)の感染は、世界規模の、健康上の難題である。慢性HBVの感染に関係する座位(ゲノム領域)を同定するため、三段階からなる漢族中国人集団におけるゲノムワイド関連解析を行うことにした。検出解析はHBVの保有者951例(症例)とHBV感染から自然に回復した(HBVが自然消失した)937例(対照群)を、続く確認解析では別個の、それぞれ総数2,248の症例と3,051の対照群を対象として行った。そしてさらなる確認解析を、一般中国人集団から抽出した1,982の症例と2,622の対照群について行った。その結果、慢性HBV感染と関連する2か所のゲノム領域を新たに同定した。6p21.33のrs3130542〔HLA-C近傍、オッズ比(OR) = 1.33、P = 9.49×10−14〕と、22q11.21のrs4821116(UBE2L3内、OR = 0.82、P = 1.71×10−12)である。また、これまでに同定されていた6p21.32のHLA-DPおよびHLA-DQに存在する多型と慢性HBV感染との関連を確認した。上記の結果は、HLA-DPおよびHLA-DQに加えて、HBV感染からの完治におけるHLA-CおよびUBE2L3の重要性を明らかにするものである。