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眼疾患:多起源コホート集団でのゲノムワイドメタ解析により屈折異常および近視の多くの新規感受性座位が見つかる
Nature Genetics 45, 3 doi: 10.1038/ng.2554
屈折異常は世界的に最も普遍的な眼疾患で盲の顕著な原因である。近視の人は、西欧人では30%以上、アジア人では80%以上に上る。CREAMコンソーシアムは37,382人の欧州起源の人についての27の研究と、8,376人の5つのアジア系コホートについてゲノムワイドメタ解析を行った。欧州起源の人々では屈折異常について16個の新しい座位が見つかり、そのうち8個はアジア系人種にも共通にみられた。研究を合算して分析すると、関連する8個の座位をさらに検出した。新規座位には神経伝達(GRIA4)、イオン輸送(KCNQ5)、レチノイン酸代謝(RDH5)、細胞外マトリックスリモデリング(LAMA2とBMP2)、眼発生(SIX6とPRSS56)などの機能にかかわる候補遺伝子が含まれている。また以前に報告されているGJD2とRASGRF1との関連も確認できた。関連したSNPを用いたリスクスコア分析は、最高度の遺伝的負荷をもった人々は近視になるリスクが10倍に増えることを示した。我々の研究は独立した多起源の人種にわたる研究の大規模メタ解析により、屈折異常や近視にかかわる機構の理解を大いに進めるものである。