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テロメア:平均テロメア長に影響する7つの座位の同定と疾患との関連
Nature Genetics 45, 4 doi: 10.1038/ng.2528
白血球の平均テロメア長(LTL)にみられる個体ごとの変化は、がんや、老化に伴う疾患の発症に関連している。LTLを決定している遺伝的因子を同定するため、37,684人についてゲノムワイド関連研究のメタ解析を行った。続いて、関連が明らかになった一部の遺伝子多様体について10,739人を対象に再現性を調べた。その結果、平均LTLに関連を示す7つの座位を同定した(P < 5 × 10−8)。そのうち5つは今回初めて同定された座位である。7座位のうち5つにLTLに関連する遺伝子が含まれると考えられるが、それらは、テロメアの構造や機能に関係していることが判明している遺伝子であった(TERC、TERT、NAF1、OBFC1、RTEL1)。2つの座位(TERCおよびTERT)に存在する主要なSNPは、いくつかのがんやその他の疾患、例えば突発性肺線維症の発症と関連している。さらに、7座位すべての主要SNPを合わせた場合の遺伝的リスクスコアと冠動脈疾患との関連を、冠動脈疾患を罹患している22,233人と対照64,762人において調べたところ、LTL短縮に伴って生じる対立遺伝子と冠動脈疾患発症リスクの上昇に強い関連がみられた〔LTLにおける標準偏差あたり21%(95%信頼区間、5〜35%)のリスク上昇、P=0.014〕。今回の結果は、老化に伴う特定の疾患におけるテロメア長変化と疾患の因果関係を裏付けるものである。