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卵巣がん:ゲノムワイド関連研究でエストロゲン受容体(ER)陰性乳がん特異的なリスク座位4つを発見

Nature Genetics 45, 4 doi: 10.1038/ng.2561

ER陰性腫瘍は全乳がんの20〜30%を占め、若い女性とアフリカ系女性に高頻度で起こる。ER陰性腫瘍とERを発現しているER陽性腫瘍とでは、遺伝的素因をはじめ、病因や臨床病態に違いがある。ER陰性腫瘍に特異的な感受性座位を見つけるため、国際がん遺伝子・環境要因研究(COGS)が開発したイルミナ社のカスタムアレイiCOGSにより遺伝子型タイピングを行い、4,193例のER陰性乳がん症例と35,194例の対照群からなる3つのゲノムワイド関連研究と、6,514例の症例と41,455例の対照群からなる40の一連の追跡研究を合わせてメタ解析を行った。4つの座位のSNP、すなわち1q32.1(MDM4P=2.1 × 10−12、およびLGR6P=1.4 × 10−8)、2p24.1(P=4.6 × 10−8)、16q12.2(FTOP=4.0 × 10−8)はER陰性乳がんと関連し、ER陽性とは関連していなかった(P > 0.05)。これらの所見は浸潤性のER陽性、ER陰性乳がんには相異なる病因がかかわっていることをさらに支持するものである。

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