Letter

てんかん:DEPDC5の変異は多様な焦点を示す家族性焦点性てんかんを引き起こす

Nature Genetics 45, 5 doi: 10.1038/ng.2599

てんかんの大部分では、てんかん原性域は焦点性であり、脳の1領域から発生する発作を伴う。焦点性てんかんは脳の構造的病変から起こることが多いが、罹患者の多くは正常な脳撮像を示す。遺伝要因が認識されてきてはいるが、大多数の罹患者の病因は明らかになっていない。多様な焦点を示す常染色体優性家族性焦点性てんかん(FFEVF)には、家族構成員が、異なる皮質領域に由来する発作を起こすという顕著な特徴がある。我々は、エキソーム塩基配列決定を用いて、2つの罹患家系においてDEPDC5の変異を検出した。次に、報告されているさらなる6つの大規模なFFEVF家系のうちの5家系において変異を同定した。家系が小規模であるため、従来型FFEVFと臨床的に確定診断できない焦点性てんかん家系についての研究では、家系の約12%(10/82)にDEPDC5の変異が同定された。このように変異が高頻度であることから、DEPDC5の変異は家族性焦点性てんかんの一般的な原因であることが確立される。DEPDC5は、Gタンパク質シグナル伝達分子とホモロジーを共有すること、およびヒトのニューロンにおける局在から、ニューロンのシグナル伝達において役割を担っていることが示唆される。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度