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計測的形質:ゲノムワイドメタ解析を行うことで、計測的形質についての11の座位を新たに同定し、この形質の遺伝的背景についての手がかりを得た
Nature Genetics 45, 5 doi: 10.1038/ng.2606
形質の分布において極端にかけ離れた値(極値)を利用した研究方法を用いて、ありふれた形質に関連する座位の同定が可能なことがある。しかしながら、こうして同定された座位がより大きい集団でも成り立つかどうかは不明である。今回、ボディマス指数(BMI)、身長、ウエスト・ヒップ比の値が上位5%以内あるいは下位5%以内と関連する座位と、臨床分類上の肥満に関連する座位を探し出すため、263,407人にのぼるヨーロッパ系集団を対象にしたゲノムワイド関連解析を行った。その結果、形質分布の裾に検出される身長に影響を及ぼす4つの座位(IGFBP4、H6PD、RSRC1、PPP2R2A)と、臨床上の肥満と関連する7つの座位(HNF4G、RPTOR、GNAT2、MRPS33P4、ADCY9、HS6ST3、ZZZ3)を新たに同定した。さらに、形質分布上の極値を示す集団と集団全体とで、遺伝子多様体の遺伝的背景および分布に関して大部分が重複していること、また、肥満の臨床的分類の亜群間で、遺伝的素因に違いはほとんどないことが判明した。