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てんかん:てんかん性脳症での標的とする遺伝子の塩基配列再決定からCHD2およびSYNGAP1のde novo変異が同定される
Nature Genetics 45, 7 doi: 10.1038/ng.2646
てんかん性脳症には、てんかんに伴って発症する深刻な疾患群が含まれ、予後は不良であり、その大部分の病因はわかっていない。我々は、てんかん性脳症の500人(症例)において、てんかん性脳症の既知の遺伝子19個および候補遺伝子46個を標的とした大量並行塩基配列再決定を行い、疾患に関与する新規遺伝子の同定および、既知の遺伝子の変異に関連する表現型の範囲の調査を行った。全体として、我々のコホートの10%に病因となる変異が同定された。46個の候補遺伝子のうちの6個には、病因となる配列多様体が1つ以上存在し、合計で我々のコホートの3%を占めている。CHD2およびSYNGAP1のde novo変異が、てんかん性脳症の新規原因であること、また、それぞれが症例の1.2%および1%を占めることがわかった。また、SCN1A、SCN2A、SCN8Aの変異によって説明される表現型の範囲が拡大した。この研究では、我々の知る限り、最も大規模な症例コホートを用いて、てんかん性脳症について標的とする遺伝子の塩基配列再決定を行っている。この迅速かつ効率的な方法を遂行することにより、このような疾患の分子的な病因の診断や理解が大きく変化するだろう。