Letter

偏頭痛:ゲノムワイドメタ関連解析で新たに明らかになった片頭痛発症リスク部位

Nature Genetics 45, 8 doi: 10.1038/ng.2676

片頭痛は最も多くみられる脳疾患であり、成人のおよそ14%が発症するが、その分子機序についてはほとんど解明されていない。本研究では、29種類のゲノムワイド関連解析のメタ解析、すなわち、片頭痛患者の総数23,285人(症例)、患者と同一人種の対照群の総数95,425人を対象にした関連解析の結果を報告する。今回のメタ解析で、片頭痛発症リスクに関係する12のゲノム領域(座位)が明らかになった(P < 5×10−8)。そのうち、以下の5か所が新たに同定された座位であった。1p36のAJAP1近傍、1p13のTSPAN2近傍、6q16のFHL5内部、7p14のC7orf10内部、8q21のMMP16近傍である。5つの新座位のうち3つは、片頭痛のサブグループ解析において同定された。脳組織におけるeQTL解析(遺伝子発現量を量的形質とみなした関連解析)を行ったところ、上記の12の座位のうち4つの座位で、片頭痛発症に影響を及ぼす可能性のある遺伝子候補としてAPOA1BPTBC1D7FUT9STAT6ATP5Bの存在が示唆された。、

目次へ戻る

プライバシーマーク制度