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非コード配列:90,000を超える保存された非コード配列の地図はアブラナ科の制御領域への理解を深める手がかりとなる
Nature Genetics 45, 8 doi: 10.1038/ng.2684
遺伝子調節や進化にとって非コードDNAはきわめて重要であるにもかかわらず、植物の非コードDNAにどの程度選択が働いているかに関する理解は、他の生物種に比べていまだに遅れたままである。今回我々は、3つのアブラナ科植物(Leavenworthia alabamica、Sisymbrium irio、Aethionema arabicum)のゲノムの塩基配列決定と、すでにゲノムが配列決定された6つのアブラナ科と合わせての解析を報告する。オーソログ塩基配列間の保存からシロイヌナズナゲノムの少なくとも17%に選択がかかっており、これは、コード領域外で選択のかかっている配列のほぼ1/4にあたることが示唆された。この配列の大部分はおよそ90,000の保存された非コード配列(CNS)に局在しており、これは転写と転写後調節への関与を示すものである。アブラナ科の2つの種、シロイヌナズナとオオバナナズナの集団ゲノム解析から同定されたCNSのほとんどが中程度から高度にわたる純化選択のもとで進化していることが裏付けられた。まとめると、これらのCNSは植物と他の生物種における調節DNA間の類似性やいくつかの重要な相違について浮き彫りにするものである。