Letter
2型糖尿病:検出可能な大規模クローン性モザイクと血管合併症を伴う2型糖尿病の関連
Nature Genetics 45, 9 doi: 10.1038/ng.2700
染色体の大規模なクローン性モザイク型事象(CME)は、老化やがん予測に関連することが示唆されている。2型糖尿病(T2D)は、老化を促進する疾患ととらえることができ、この疾患はがんの高い有病率に関連している。本研究は、T2Dと血液におけるCME発生の関連を評価することを目的として行われた。DNAアレイを用いて、7,659人(T2D患者2,208人を含む)におけるCMEの存在を評価した。CME発生とT2Dとの有意な関連が認められ〔オッズ比(OR)= 5.3、P = 5.1×10−5〕、また、その関連は非肥満T2D患者のみを考慮した場合により強力だった(OR = 5.6、P = 4.9×10−5)。特に、T2Dを罹患するCME保因者は、T2Dを罹患するCME非保因者より、血管合併症の有病率が高かった(それぞれ71.4%対37.1%で、P = 7.7×10−4)。CME保有者においては、6年間に異常細胞の割合が増加することが分かった(P=8.60×10−3)。結論として、CME保有者のがんリスクが高いことを考えると、本研究の結果は、重度のT2D患者に臨床的に重要な意味を持つであろう。