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Brugada症候群:SCN5A-SCN10AとHEY2領域の頻度の高い多型が、心臓突然死の危険度が高い稀少疾患であるBrugada症候群と関連している
Nature Genetics 45, 9 doi: 10.1038/ng.2712
Brugada症候群はまれな心臓不整脈疾患であり、約20%の症例でSCN5Aの変異が原因となっている。Brugada症候群患者312例と1,115例の対照者のゲノムワイド関連解析から、SCN10A(rs10428132)座位とHEY2遺伝子近傍(rs9388451)に、有意な関連を示す2つのシグナルを同定した。これら2つのシグナルは独立した追試により確認され(メタ解析で、rs10428132、P=1.0×10−68、rs9388451、P = 5.1×10−17)、さらにSCN5A領域に新たなシグナル(3p21、rs11708996、P = 1.0×10−14)が同定された。3つの座位の疾患感受性に対する累積効果は予想外に大きかった(Ptrend = 6.1×10−81)。SCN5A-SCN10Aにあるシグナルが病気と関連を示すことは、心臓伝導系を修飾する遺伝的多型が、心臓不整脈の罹患性にも影響することを示している。また、HEY2との関連は、HEY2が心臓の電気活動を制御するという新しい知見を考慮すると、Brugada症候群が心臓発生時の転写プログラムの変化に起因する可能性を示している。以上より、我々の発見は頻度の高い遺伝的多型が稀少疾患の罹患性に関して強い影響を持ちうることを示すものである。