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てんかん:GRIN2A変異はローランド棘波を有する突発性焦点性てんかんを引き起こす
Nature Genetics 45, 9 doi: 10.1038/ng.2728
ローランド棘波を有する突発性焦点性てんかん(IFE)は最も一般的に見られる小児性てんかんである。その表現型のスペクトルには、ローランドてんかん〔中心側頭部に棘波を示す良性てんかん(BECTS)ともいう〕から、非定型良性部分てんかん(ABPE)、ランドウ‐クレフナー症候群(LKS)、徐波睡眠時持続性棘徐波(CSWS)を示すてんかん性脳症までが含まれる。IFEの遺伝的背景はほとんどが不明である。今回新たに、2つの相互に無関係なコホート由来のIFE患者359人のうち27人において、GRIN2Aのヘテロ接合性変異を見つけた(7.5%、P=4.83×10−18、Fisherの正確確率検定)。変異は、表現型が重症度を増すほど明らかに高頻度で生じていた。すなわち、変異の検出率は、BECTS患者の場合の12/245(4.9%)からCSWS患者の場合の9/51(17.6%)までと幅があった(P=0.009、Cochran-Armitageの傾向検定)。さらに、IFE患者286人のうち3人に、エキソン破壊微小欠失を検出した(1.0%、P=0.004、Fisherの正確確率検定)。今回の研究成果によって、IFEの主要な遺伝性リスク因子がNMDA受容体のNR2Aサブユニットをコードする遺伝子に生じた変異であることが明らかになった。