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喘息:ゲノムワイド関連研究からCDHR3が重度の増悪を伴う幼児期喘息の感受性座位であることが明らかになる
Nature Genetics 46, 1 doi: 10.1038/ng.2830
喘息の増悪は、小児期の入院の原因として最も多いものの1つであるが、その原因となる機構はあまり理解されていない。本研究では、2歳から6歳までの間に喘息の重度の増悪を繰り返すことが特徴の特定の喘息表現型について、合計として症例1,173例および対照2,522例において、ゲノムワイド関連研究を行ったので報告する。症例は、デンマーク全国患者登録から入院歴により同定し、また、DNAはデンマーク新生児スクリーニングバイオバンクから得た。その結果、5座位にゲノムワイドな有意水準での関連を同定した。このうちの4座位(GSDMB、IL33、RAD50、IL1RL1)は、これまでに喘息の感受性座位であることが報告されていたが、本研究のコホートにおけるこれらの座位のエフェクトサイズ(効果量)は、喘息についてのこれまでのゲノムワイド関連研究よりかなり大きかった。また、気道上皮に高発現しているCDHR3(cadherin-related family member 3をコードする)が、新しい感受性遺伝子である強力な証拠も得た。これらの結果は、喘息感受性遺伝子の検索に特定の表現型タイピングを適用する長所を実証している。