Article
ポプラ:ポプラ類のブラックコットンウッドについて、自然選択や適応形質に関連した特徴を集団ゲノム学により同定
Nature Genetics 46, 10 doi: 10.1038/ng.3075
森林樹木は陸生の生態系の主要な構成要素であり、地球規模での環境や経済に大きな影響力を持つ。その幅広い環境傾度にわたる分布にもかかわらず、多くの樹木集団は局所的に適応しており、その適応についてのメカニズムは全くと言っていいほど理解されていなかった。今回、ポプラの一種であるブラックコットンウッド(Populus trichocarpa)544本を用いて全ゲノムの選択探索と関連解析とを組み合わせ、広範囲の緯度でゲノム規模の適応変異を明らかにした。397のゲノム領域は最近の正の選択や分岐の選択を示し、また、自然選択と一致するパターンを示す適応形質との関連が強かった。これらの領域は重複遺伝子の進化におけるダイナミクス、あるいは適応形質の変化におけるその役割について、我々が予想できないような手掛かりを与えるものでもある。