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トマトのゲノム:ゲノム解析はトマト品種改良の歴史を知る手掛かりとなる

Nature Genetics 46, 11 doi: 10.1038/ng.3117

作物の栽培や品種改良の歴史はゲノムに刻まれている。トマトは植物学や育種のモデル生物であるが、そのゲノムを変える選択を人類がどのように行ってきたかは、ほとんど明らかになっていない。我々は、トマトゲノム配列として登録された360の配列を用いて、トマトの進化を包括的に解析したので報告する。我々の解析は、栽培化と改良が2つの独立した一連の量的形質領域(QTL)に集中している証拠を示しており、その結果、現代のトマトの果実は祖先に比べておよそ100倍大きくなっていることが判明した。加えて、現代の加工用トマトの主要なゲノムシグネチャーを発見し、ピンクの果実色を与える原因となる変異を同定した。また、野生での遺伝子移入に関連するリンケージドラッグを詳細に可視化した。この研究は歴史的な選択の成果だけでなくコストも概観するものであり、また、さらなる改良に向けた分子的な手掛かりを提供するものである。

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