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ミトコンドリア:卵形成期の機能的なミトコンドリアDNAの選択的伝播により有害なミトコンドリア変異の伝達が制限される

Nature Genetics 46, 4 doi: 10.1038/ng.2920

ミトコンドリアDNA(mtDNA)は変異が生じやすく、かつDNA修復機構はほとんど存在しないにもかかわらず、重篤なミトコンドリア変異は非常にまれである。最近の研究によってマウスの雌生殖細胞系において強力な浄化選択が起こることが示された。しかし、健常なミトコンドリアが正の選択を受ける機序については分かっていない。我々は、ショウジョウバエDrosophila melanogasterの卵形成期のmtDNA複製を可視化することにより、mtDNAの複製は後期胚腺期の卵母細胞決定期前に開始すること、およびそれがmtDNAの適応度に依存することを見いだした。我々は、制限温度で胚腺におけるmtDNA複製を減少させる効果を持つ温度感受性の致死mtDNA対立遺伝子、mt:ColT300Iを単離した。そして、制限温度条件下で、ヘテロプラスミーを持つハエのmt:ColT300I対立遺伝子の頻度が、卵形成期およびその後何世代にわたっても減少することを見いだした。このmt:ColT300Iの淘汰(選択)は、胚腺におけるmtDNAの選択的複製のタイミングと重なっていることを決定した。これらの知見は、これまでに分かっていなかった、野生型mtDNAの選択的増幅の発生機序を明らかにするものであり、この仕組みは、有害な変異の伝播を制限するために進化的に保存されている可能性がある。

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