Technical Report

関連研究:配列ベースの関連解析のための祖先推定と集団構造の管理

Nature Genetics 46, 4 doi: 10.1038/ng.2924

個人の祖先を見積もることは、集団構造が偽陽性シグナルにつながることもあり、遺伝的な関連研究を行う上で重要である。とはいえ、標的塩基配列決定のデータを用いて祖先を決定することはいまだに難しい課題となっている。そこで我々は、オフターゲットの配列解読結果を直接解析することにより、個人の遺伝的な祖先を正確な見積もるための新しい手法を提案する。また、この手法を一般に利用可能なようLASERの名前で実装した。我々は、シミュレーションと実験に基づいたデータを用いて、この方法の評価を次のように行った。まず、0.001倍の低い深度(カバレージ)で行われた全ゲノムショットガン配列データセットを使用することで、世界のどの大陸由来かの祖先を正確に推測することができた。また、ヨーロッパ内の詳細な祖先を見積もるためには、0.1倍の深度のデータを用いることで、本手法がうまく機能することが分かった。さらに深度を上げたデータを用いれば、フィンランド内の異なる地方を起源とするエキソーム配列研究の参加者間の区別の精度を向上させることができた。我々はさらに、遺伝的な関連研究における症例対照マッチングの改善、また、集団構造が誤った研究結果をもたらすリスクの軽減にも本手法が貢献することを示すことができた。

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