Letter
肺がん:影響力の大きいBRCA2とCHEK2の稀少バリアントは肺がんリスクに関与する
Nature Genetics 46, 7 doi: 10.1038/ng.3002
1,000人ゲノムプロジェクトでの肺がんのゲノムワイド関連研究4つで、ヨーロッパ系集団(11,348例の症例と15,861例の対照群)および追跡調査として遺伝子型決定された追加の10,246例の症例と38,295例の対照群についてデータの補完を実施した。そこで、扁平上皮肺がんにゲノムワイドの関連を示す影響力の大きい稀少バリアントをBRCA2 p.Lys3326X(rs11571833、OR=2.47、P=4.74×10−20)と、CHEK2 p.Ile157Thr(rs17879961、OR=0.38、P=1.27×10−13)に同定した。また、3q28に位置する頻度の高いバリアント (TP63、rs13314271、OR=1.13、P=7.22×10−10)は、アジア系集団のみで報告されている肺腺がんとの関連を示した。これらの知見は、遺伝する肺がんの遺伝的感受性やその生物学的な基礎についてのエビデンスをさらに追加するものである。加えて、我々の解析は既存のゲノムワイド関連解析データからのデータの補完により、がんリスクに対して実質的な効果を持つまれな疾患の原因バリアントを同定しうるということを実証している。