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脳・脊髄腫瘍:テロメア長に影響を与えるTERT およびTERCの近傍の変異は高悪性度の神経膠腫の発症リスクに関連している

Nature Genetics 46, 7 doi: 10.1038/ng.3004

神経膠腫(グリオーマ)は成人で最もよく見られる中枢神経系のがんで、予後が悪い。今回新たに、神経膠腫発症リスクに関連するSNP、rs1920116(TERCの近傍)を同定した。このSNPは、悪性度の高い神経膠腫を対象にしたゲノムワイド関連研究(GWAS)のメタ解析および関連確認解析(神経膠腫患者1,644人、対照健常者7,736人)において、ゲノムワイドに有意な関連を示した(Pcombined=8.3×10−9)。このゲノム領域は以前、白血球のテロメア長(LTL)の平均値と関連することが指摘されていた。そこで、今回同定したリスク領域と、これとは別の、既に神経膠腫リスクとの関連が判明している領域の両方について、最近行われたLTLのGWASデータ(全部で37,684人)を用いて、LTLとの関連を調べた。その結果、TERCおよびTERTの近傍に存在する神経膠腫リスク関連対立遺伝子の場合には、長鎖LTLと強い関連を示すことが明らかになった(P値はそれぞれ、5.5×10−20、4.4×10−19)。それに対して、RTEL1近傍のリスク関連対立遺伝子では、上記と一致しない関連が見られ、別な原因対立遺伝子の存在が示唆された。また、その他の神経膠腫リスク領域はLTLと関連を示さなかった。TERCTERT近傍の神経膠腫リスク対立遺伝子がテロメア長にも関連があると判明した今回の研究成果は、神経膠腫発症におけるテロメラーゼの関与を示唆するものである。

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