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インゲンマメ:インゲンマメの参照ゲノムと2回の栽培化に関するゲノムワイドな解析
Nature Genetics 46, 7 doi: 10.1038/ng.3008
インゲンマメ(Phaseolus vulgaris L.)は最も重要な食用のマメ科穀物で、その大気中の窒素を固定する能力のため持続的農業に重要な役割を果たしている。ゲノム587 Mbのうち473 Mbの塩基配列をアセンブル(構築)し、この塩基配列のうち98%を11の染色体規模の偽分子上に配列を関連付けた。倍数性がダイズにもたらした変化を見つけるため、ダイズゲノムとインゲンマメゲノムの比較を行った。遺伝的に異なるメソアメリカとアンデスの遺伝子プールから60の野生型の個体と100の在来種についてリシーケンスを行うことで、人類の定着以前に分岐した遺伝的プールから起こった2つの栽培化を確認することができた。この2つは別々に起こったイベントである。栽培化に関連すると推定される74 Mbの配列のうち、2つの栽培化イベントで共有されているのは10%未満である。我々は、葉や種子の大きさの増加に関連する一連の遺伝子を同定し、これらの結果とメソアメリカの栽培品種からの量的形質座位のデータとを組み合わせた。栽培化に影響を受けた遺伝子を見つけることは、ゲノムミクスが可能にする作物の改良に有用と考えられる。