Technical Report
塩基配列決定技術:臨床における塩基配列決定の応用におけるバリアントコールのためのマッピング、アセンブルおよびハプロタイプに基づく統合的なアプローチ
Nature Genetics 46, 8 doi: 10.1038/ng.3036
ハイスループットのDNA塩基配列決定技術は遺伝子研究を大きく変革し、臨床応用へと影響を及ぼしはじめている。しかしながら、そのデータの解析は、特に精度や応答時間がきわめて重要となる臨床の場で困難な分野として残されている。我々はPlatypusと名付けたソフトウェアパッケージを実装することで、この問題に対する新しいアプローチを提示している。PlatypusはSNP、インデル(挿入・欠失)、および複雑な多型に対する高い感受性と特異性を有しており、局所的な再アライメントと確率的なハプロタイプの見積りの後、局所的なde novoアセンブルを行って候補となる変異を見つけ出している。本ツールは既存のツールより10倍以上も速く、事前処理なしにアラインメントした生のリードデータからコールを生成する。我々は全ゲノムやエクソームキャプチャー(捕獲)のデータでのSAMtoolsやGATKの比較、15組の両親と子の組み合わせ(トリオ)についての高い感受性と特異性でのde novo変異の同定、およびバリアントコールからの直接のヒト白血球抗体の遺伝子型の見積りを行うことにより、臨床的に関連する実験的なデザインでのPlatypusのパフォーマンスを実演している。