Letter
膵臓がん:ゲノムワイド関連解析によって膵臓がんの易罹患性座位を複数同定
Nature Genetics 46, 9 doi: 10.1038/ng.3052
ヨーロッパ系の膵臓がん患者7,683人、対照健常者14,397人を対象に多段階のゲノムワイド関連解析を行った。その結果、以下の新たな4つの座位において、ゲノムワイドに有意な関連を示すシグナルを検出した。7q32.3のrs6971499(LINC-PINT、対立遺伝子あたりのオッズ比(OR)=0.79、95%信頼区間(CI)0.74–0.84、P=3.0×10−12)、16q23.1のrs7190458(BCAR1/CTRB1/CTRB2、OR=1.46、95% CI 1.30–1.65、P=1.1×10−10)、13q12.2のrs9581943(PDX1、OR=1.15、95% CI 1.10–1.20、P=2.4×10−9)、22q12.1にrs16986825(ZNRF3、OR=1.18、95% CI 1.12–1.25、P=1.2×10−8)を同定した。また、これらとは別個に、膵臓がんとの関連がすでに知られているゲノム領域である5p15.33に含まれる、TERTの2番目のエクソンに関連シグナルを見つけた(rs2736098、OR =0.80、95% CI 0.76–0.85、P=9.8×10−14)。さらに、ゲノムワイドな有意性に近い関連を示す座位を、8q24.21のPVT1の455kbテロメア側に特定した(rs1561927、P=1.3×10−7)。今回の関連解析によって、フォローアップ解析による検討に値する膵臓がんの易罹患性対立遺伝子が、新たに複数同定された。