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転写制御:非コード領域の転写における鎖特異的な切り替えはPolycomb/Trithorax response elementの機能を切り替える

Nature Genetics 46, 9 doi: 10.1038/ng.3058

Polycomb/Trithorax応答エレメント(PRE/TRE)は、サイレンシングと活性化の間で可逆的にその機能を切り替えることができるが、その機構はほとんど分かっていない。本論文では、ショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)のvestigialvg)座位のPRE/TREにおいて、非コード領域の転写の方向(順方向および逆方向)を切り替えることにより、このエレメントの機能状態が抑制(順鎖によって誘導)と活性化(逆鎖によって誘導)の間で切り替えられることを示す。in vitroでは、両方向の非コードRNAが、PRC2のヒストンメチルトランスフェラーゼ活性を抑制するが、in vivoでは、逆鎖のみがPRC2に結合する。逆鎖の過剰発現はクロマチンからPRC2を除去し、その酵素活性を抑制する。我々は、RNAとPRC2の相互作用が、in vivoではin vitroとは異なる調節を受けており、局所でのPRC2活性の抑制を調節できることを提案する。ゲノムワイドな解析から、非コードRNAの転写鎖の切り替えが、ハエや脊椎動物のゲノムの数百カ所のPolycomb結合部位で生じていることが示された。この研究は、非コードRNA転写の方向を切り替えることによって、機能を切り替える、これまでには報告されておらず、広範な可能性があるPRE/TREの種類を明らかにしている。

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